2012年05月19日

広域処理の瓦礫量、大幅減へ

広域処理の瓦礫量の見直しがされていましたが、ようやく新しい数値が発表されたようです。

がれき広域処理要請100万トン、当初より244万トン圧縮

http://www.kahoku.co.jp/news/2012/05/20120519t11017.htm

 東日本大震災で発生した宮城県内のがれきのうち、県が被災地以外の自治体に処理要請する広域処理量が、当初見込んだ344万トンか ら100万トン程度に圧縮される見通しとなったことが18日、分かった。県全体の発生量(約1800万トン)のうち、県が被災12市 町から処理を受託する1100万トンも約4割減少する見込み。
 広域処理の推進に当たり、県が実施したがれき量の再精査で判明した。解体が必要な家屋数が確定し、当初の推計と比べ減少したことや 、津波で洋上に流されたがれきが相当量に上ったことが理由とみられる。
 政府が目標に掲げる2013年度末の処理完了の前倒しも期待されるが、県は「目標を達成するには、依然として広域処理を要請せざる を得ない」としている。
 広域処理量の圧縮は総量の減少に加え、県内処理を拡充することで可能となった。
 県は、県内8カ所に設けた2次仮置き場の焼却施設間の調整を進め、処理の効率化を徹底。県内市町村の協力も求め、仙台市は石巻地区 のがれきのうち、木くずなどの可燃物を最大10万トン受け入れることを決めた。村井嘉浩宮城県知事は、4月23日にあった細野豪志環 境相との会談後、「精査後のがれきの量は相当減る」との認識を示した。細野氏は同日、岩手、宮城両県のがれきのうち、広域処理が可能 な量は計162万トンと伝えていた。
 広域処理をめぐり、政府は35道府県と10政令市に文書で協力を要請。宮城県内には、これまで延べ100前後の自治体ががれきの処 理状況の視察に訪れている。




宮城県については、広域処理をお願いする瓦礫の量が約350万トンという事になっていましたが、それは100万トンに修正されるとの事。
量が大幅に減る事になりました。
岩手県については記事では触れられていませんが、もし宮城のように「当初の推定より実際の瓦礫の量は少なかった」となると、岩手の広 域処理の瓦礫量(57万トン)も減るかもしれません。
岩手、宮城あわせて100万~157万トンくらいになりそうです。
当初の「400万トン」という数字から大幅に減る事になりました。

広域処理の瓦礫量が大幅に減った理由としては・・・

・瓦礫の量が想定していた量より少なかった(過大に見積もっていた。また予想より多く津波で瓦礫が流されていった)
・ブロック単位でなく県単位で協力して瓦礫を処理する事にした(県内で余力が余ってるところが瓦礫を処理できるようになった)

の二点となっています。
実は「防潮林で瓦礫を使用する事にしたから」は、この数字にはまだ含まれていません。

現在林野庁が検討中の「防潮林の土台造成に瓦礫(木質瓦礫、コンクリ瓦礫)を利用する」が許可されると、広域処理の瓦礫量はこの100万~157万トンからさらに大幅に減る事になります。
土台の造成には大量の瓦礫を使用する事になるため、むしろ100万~157万トンでは足りないかもしれません。
仮に少し残ったとしても、東京だけで50万トン受け入れを表明しているため、すでに受け入れを開始している東京と山形だけで処理して終 了という事になりそうです。
他所の県が広域処理に慌てて参加する必要は全然無いでしょう。

もちろん土台に使用する瓦礫は広域処理用の瓦礫だけでなく地元処理用の瓦礫も使われる事になるでしょうが、そもそもの広域処理の理由 である「被災地の中には瓦礫を邪魔な場所に置いてしまってる場所がある。だからそういう瓦礫は一早く処理するために広域処理をお願い する。」というのを考えると、より早急な処理を必要とされている広域処理用の瓦礫が地元の瓦礫(で処理を急いでない瓦礫)より優先的 に処理される事になるでしょう。
処理を急ぐ瓦礫より、処理を急いでない瓦礫が優先的に処理されたらおかしいですよね?

今回の瓦礫処理方針見直しでは、「ブロック単位で分けて、各ブロック内でしか瓦礫を処理してはいけなかった」というのを考えなおし、 「県内で瓦礫を融通しあって処理できるようになった」と、瓦礫の処理方法が大幅に改善される事になりました。
自治体によっては「邪魔にならない所に置けてる地元の瓦礫は後でゆっくり処理するので、他所で邪魔になる場所に置いてしまってる 瓦礫があったら、こっちで引き受けて先に処理するよ。」という感じで他所の瓦礫を引き受けて先に処理するところも出てくるでしょう。 (瓦礫処理で地元により金が入る事になるし)


また、上記記事でも触れられていますが、減ったのは広域処理の瓦礫のみではありません。
地元で処理する瓦礫についても大幅に減りました。(想定量が減った、という意味ですが)

政府は元の想定量で瓦礫処理の期間の見積もりを出していましたが、この処理する瓦礫量が大幅に減ったとなると、自治体の中には想定よ り早く処理が終わって、他所から瓦礫を引き受けられるという事になります。
広域処理ではよく「ほとんどを地元で処理できるなら、期間を多少延ばしてでも地元で処理したら?」みたいな意見がありましたが、その 処理する瓦礫量が大幅に減ったため、期間を延ばさないでも地元で全部処理できるようになったと。


被災地での瓦礫処理については、

・ブロックの垣根を越えて処理できるようになったため、どうしても土地を確保できず邪魔なところに置いてしまってる自治体の瓦礫につ いては他所の自治体が引き受けて先に処理するようにすればいい
(邪魔でないところに置いてる瓦礫については、後回しでゆっくり処理していけばいい)
・防潮林の造成に瓦礫を使う場合は、復興の邪魔になる場所に置かれていて処理を急ぐ瓦礫を先に処理する事

といった感じで、本当に処理を急ぐ瓦礫は優先的に処理していくべきです。


広域処理の瓦礫量発表前のニュースですが、被災地を視察していた各自治体の中には、「これなら地元で処理できるのでは・・・?」とい うのを知り、瓦礫受け入れに前向きだったところなどが「受け入れしない」と態度を変えたところも次々と出てきました。

・川崎市の阿部市長 がれき受け入れ方針見直し 「現地で処分できそうになった」

東日本大震災で発生したがれきの広域処理を巡り、川崎市の阿部孝夫市長は5月17日の記者会見で、

「国が調整した分は現地で処分できそうになった。今までのスキームでは進まない」
「震災から1年がたち、現地で積極的に処理する道筋ができていないとおかしい。今になって処理できないのが、どのくらい出てくるか若 干疑問がある」

と述べ、受け入れ対応を見直していることを明らかにした。
環境省は3月、神奈川県に対し岩手県大船渡、陸前高田両市の木くず12万1000トンの処理を要請し、阿部市長も「筋の通らない反対意見は 無視する」と述べ、受入れに前向きな方針を示していたが、現在、川崎市は引き受ける必要性はなくなったと判断しているという。


市民の声を無視して瓦礫受け入れを強行しようとしていた川崎市のようなとこでさえ、現在は受け入れに疑問を持っているようです。

当初から受け入れを拒否し続けていた他の自治体のように、「瓦礫は受け入れないけど、現地での処理が進むように技術的なサポートを行 う」という風に変わっていくとこがこれからどんどん増えていくでしょう。


・兵庫県尼崎市 夏までに実施予定だった試験焼却を「再考」

東日本大震災で発生したがれきの受け入れをめぐり、兵庫県尼崎市の稲村和美市長は5月16日、同市内で開いた市民との対話集会で、受け 入れや試験焼却に対する、反対意見が相次いだことや広域処理の必要性についての状況変化などから、夏までに実施するとしていた試験焼 却について「再考」する考えを示した。
稲村市長は集会後、「試験焼却に対する不安の声がある。広域処理の必要性について状況の変化もあり、再考の余地がある」と話した。



尼崎市でも、「広域処理の必要性」に現在は疑問を持ちつつあるようです。


川崎市や尼崎市みたいに、瓦礫を受け入れるつもりだったところでも、広域処理の実情が変わってきた現在では、「受け入れる必要は本当 にあるのか?」と疑問を持つとこは少なくないようです。
受け入れによって地元経済に大きな損害を与えた場合、当然ですが受け入れを決めた人が責任を取らされてしまいます。

北九州市などは広域処理の必要性が薄れてきているにもかかわらず、とっとと試験焼却をやって受け入れをしようとしています。
市長や全会一致で受け入れを可決した北九州市市議達に対しては、「もし瓦礫受け入れによって市の経済に被害を与えたら、市長および市 議に対して損害賠償請求を起こす。」と個人ブログで声明を出す方も出てきているようです。

みなさんも余計な瓦礫受け入れがされそうになったら、ご自身のブログでこのような声明を出すとともに、他の方にも同じ事をするように 呼びかけた方がいいでしょう。

posted by wanwan at 15:48| 記事 | 更新情報をチェックする

2012年05月07日

状況がかなり変わりつつある広域処理問題。「広域処理」から「できるだけ現地処理」へ。

環境省のゴリ押しで広域処理で試験焼却を始めるところが出てきたようですが、実際は広域処理については状況がかなり変わってきています。
まず本題に入る前に排水の話について・・・。

<排水の浄化についてもっと議論をするべき>

「国の埋め立て基準8000ベクレル/kgは高すぎる」と大阪市などは言ってますが、彼らは広域処理の瓦礫の焼却灰が2000ベクレル/kg以下なら埋め立てるつもりのようです。(しかも海岸に面した処分場に)
原発事故前は埋め立て基準が100ベクレル/kgだった事を考えれば、8000ベクレル/kgが高すぎるのは当然ですが、2000ベクレル/kgもまだ高いと感じるのが普通でしょう。
広域処理で2000ベクレル/kgと独自の基準値を設定して受け入れるつもりのところは他にもあるようですが、まずその「8000ベクレル/kgはダメだが、2000ベクレル/kgなら安心」の根拠をしっかり説明するべきです。


広域処理については排ガスの話ばかり出ていますが、本来は「排水」についてもしっかり注意する必要があります。これについてはここで何度も書いていますが。
この点をろくに話あわずに瓦礫の受け入れを早々に決めようとしているところがあるみたいですが、勉強不足にもほどがあります。

最終処分場に放射性物質の含んだ焼却灰を埋め立てると浸出水に放射性物質が漏出し、環境中に放出されてしまいます。

例えば二ヶ月前の記事ですが、こういう事がありました。

横浜市の南本牧廃棄物最終処分場(中区)に埋め立てているごみの焼却灰から放射性セシウムが検出された問題で、処分場から出た水を海に排出する際に浄化に使っていた鉱物「ゼオライト」を、市が約一カ月で取り外していたことが分かった。同市は取り外し後も、住民や市議会で「ゼオライトを装填(そうてん)中」と説明していた。

六日の市議会予算第二特別委員会で、井上さくら市議(無所属)が指摘。市資源循環局の大熊洋二局長は「吸着能力を確認する実験だった」と答弁した。

同局によると、処分場からは一日七百五十トンの水が海へ排出されているという。ゼオライトを使っていたのは昨年十月五日~十一月一日。浄化前の水のセシウム濃度は測定器の検出限界未満だったが、実際はゼオライト 五・五トンで浄化後にゼオライト一キログラム当たり五〇〇〇ベクレルのセシウムが吸着していた。

ゼオライトを外した後について、大熊局長は「海への排水は国の基準があり、それを超えないように対策を練っている」と述べた。

市議会の委員会や住民説明会で、ゼオライトを外した後も「装填中」と説明していたことについて、同局の山内泉・処分地管理課長は「説明が足りず、誤解の原因になった」と釈明。九月から、ゼオライトの粉末を浄化過程で混ぜるとした。
(東京新聞)





記事の内容を見ると、「最終処分場に放射性物質の含んだ焼却灰を埋め立てると環境中に漏れ出してしまう」という事を表しています。
5.5トンのゼオライトに平均して5000ベクレル/kgのセシウムが吸着していたとの事で、元の埋め立てた灰の濃度や量にもよりますが、結構な量浄化前の浸出水に放射性物質が漏出していたようです。
「放射性物質を含んだ灰を埋め立てた最終処分場から雨水に溶け込んで放射性物質が漏れ出した」というのはこの横浜市のケースに限らず、過去には他の処分場でも発生しており、何度も何度もニュースになっています。
最終処分場に元から導入されている浄化設備で除去できてれば良かったのですが、こういうのでは放射性物質の除去はあまりできないようです。

環境省や受け入れ先では地元の可燃物との混合割合を調整して「薄めれば安全」という風にしようとしていますが、これは海外でも「相当おかしな対応」と指摘されています。
薄めても総量は変わらないので、結局最終処分場の浸出水に漏出する放射性物質の量は変わらないからです。
環境への放出量を減らすには、「薄める」ではなく、上記記事のようにゼオライトなどによる浄化処理装置を新たに追加し、浸出水を環境に放出する前に放射性物質をできるだけ減らすようにしないといけません。

広域処理で瓦礫を受け入れるつもりのところは、その焼却灰を引き受ける関連施設「全て」に排水の浄化処理(既存の浄化処理装置ですますのではなく、放射性物質をきちんと減らせる物)を導入させないとダメです。
これは「最終処分場」だけでなく、「セメント工場」や「金属・プラスチックのリサイクル工場」も同様です。市原エコセメントから汚染度が基準値を大幅に越えた排水が大量に長期間垂れ流しされた事が過去に実際ありました。
浄化処理をきちんと導入させた上で、簡易検査装置(ベクレルモニター)も各施設に一台ずつ導入して一日単位で排水の検査をしないと、受け入れ先の自治体の施設では環境中へ放射性物質をどんどん垂れ流す事になるでしょう。
(これは「広域処理の瓦礫を受け入れたところ」だけでなく、普通ゴミからも放射性物質が出るようになった東北や関東では、もう普通に最終処分場やセメント工場、リサイクル工場で導入しておかなければいけない物です。)
わざわざ遠く離れた九州まで運んでそこで焼却灰をセメント化するという話も出ているようですが、排水の浄化処理装置の追加についてきちんと話あわれているのでしょうか?そういう話はぜんぜん出ていないようですが。

浄化処理の導入コストや運営・維持コスト、放射性物質を吸着して濃度が高くなったゼオライトの処分先の確保など、色々問題があると思いますが、こういうのをきちんとクリアせずに受け入れをしようなどというのは杜撰すぎるにもほどがあります。


また、最終処分場については一度埋め立てた場合は、今後ずっとこの浄化処理を行い続けないといけないという問題も発生します。
「瓦礫処理は終わったから、埋め立て地の浸出水の放射性物質浄化処理はもうやらなくてもいい」というわけではないのです。一度埋め立ててしまうと、今後放射性物質は染み出し続けるからです。(濃度は変わっていくでしょうが)
広域処理ではないのですが、奈良の御所市の産廃業者が関東の1000ベクレル/kgほどの汚染焼却灰を住民に黙って大量に引き受けて埋め立てていた問題についても、あれは現在受け入れをストップしたようですが、一度埋め立ててしまったため、今後浄化処理をし続けないといけないでしょう。
もし未だに御所市の産廃業者が放射性物質用の浄化処理設備を導入してないなら、地元はしっかり圧力をかけるべきです。
他の地域でも放射性物質を含んだ灰を埋めた最終処分場はどこも「永久に排水を浄化しないといけない」というのは同様です。
埋め立て地では今までも化学物質用の浄化処理装置は備えていましたが、それに放射性物質用の浄化処理も加えて永久に稼動させ続けないといけません。


<状況が変わりつつある広域処理問題>

環境省はあいかわらずゴリ押しを続けようとしていますが、広域処理については「急いで受け入れを表明して処理を開始すると馬鹿を見る」という風に変わりつつあります。
現在広域処理については良い方向に話が進んでいっています。


その理由の一つとしては、「広域処理ではなく被災地で処理しよう」という声が地元では強くなっており、また広域処理の不自然な点を報道するマスコミが最近かなり増えてきた事もあって、全国的にも「できるだけ地元で処理した方が正しいのでは?なんでわざわざ大金かけて遠くまで運ぶの?」という声が強くなってきており、そのため岩手や宮城では県単位で瓦礫の処理方法を改めて見直し、「広域処理でなくできるだけ地元で処理しよう」という風に話が変わってきているのです。
(最近のニュースでもこれについて報道されていましたので、見た事がある方も多いのでは?「広域処理の瓦礫量見直しへ」というやつです。)

少し前に宮城県では各地の首長を集めた会合をし、その場で宮城県の村井知事が「広域処理ではなくできるだけ宮城県内で処理しましょう」と呼びかけた姿が報道されました。

・宮城知事「最大限、県内処理を」 地元首長に要請
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012042401002329.html

最近被災地の瓦礫処理について調査したテレビ番組でも、「現地では広域処理ではなく地元で処理する方向に話が変わってきている。どうしても広域処理をお願いする場合も、かなり量が減る」と、瓦礫処理の担当者(宮城県の瓦礫処理を統括してる方)に電話で聞いた様子が報道されました。

被災地に現地入りし、実際にあちこちで聞き取り調査した議員の方も、「現地では広域処理ではなく地元処理の方向へ話が変わってきている」というのを聞き、ブログやtwitterでレポートしてる方が何人もいます。

・【災害廃棄物広域処理:現地視察速報】宮城県・仙台市・岩手県(4月30日~5月2日)
http://blog.goo.ne.jp/nasrie/e/8e0ee4b9675c838510a7f6ba706a6a72


他にも「地元で処理しよう」というのを後押しする良いニュースが出ています。
岩手県ですが、木材やコンクリ、他を埋め立てて防潮林を作る試験が遂に始まりました。
これは以前から瓦礫の効率の良い処理方法として提案されていた事で、ようやく国(林野庁)も本格導入を検討しだしたのです。
(埋め立てた場合は放射性物質やその他の化学物質の環境への漏出が心配ですが、それについてもきちんと調査・対策するとの事)
防潮林はかなり長い距離作る事になり、盛り土にはかなりの量の瓦礫を使いますので、「震災で発生した瓦礫全ての処理」がこれだけでこなせるとは思いませんが、かなりの量をこの方法で処理できるでしょう。
広域処理ではよく「被災地の中には用地を確保できず、瓦礫が本当に邪魔な場所にあるところもあって、そういうのを広域処理で早く処理してもらいたい」みたいな事を大儀名分として言ってる人もいますが、そういう「本当に邪魔な瓦礫」があるなら優先的に防潮林の造成で処理してしまえば良く、広域処理をする大儀名分はすっかり無くなるでしょう。


現在広域処理の瓦礫の受け入れを表明してない自治体や受け入れ拒否を表明しているところは、そのまま様子を見るべきです。
安易に受け入れを早々に表明してしまい環境省に押されて処理を開始してしまうと、本来なら引き受ける必要が無い物を(少しの間とはいえ)受け入れるはめになって、後々地元に風評被害や汚染被害の問題を引き起こす事になります。
経済被害を受けた人々は当然そのまま泣き寝入りをせず、瓦礫受け入れを安易に決めた知事や市長、町長、また瓦礫受け入れを後押しした馬鹿な市議・県議などに対して賠償の訴訟を起こす事になるでしょう。

日弁連など、広域処理に反対してる弁護士はわりと多いですが、もし瓦礫受け入れで地元に余計な風評被害や汚染被害を引き起こされた場合、「将来被害者達が知事や市長、町長などに対して訴訟を起こした場合に支援する」と表明する弁護士も出てきたようです。(私が書いた記事を見たのかどうか知りませんが、私が提案してなくても、弁護士の中にはこういう事を言い出す方はいずれ出ていたでしょう。)
知事や市長、町長などは、すでに受け入れを表明してても「住民の理解が得られなかった」などで態度を保留して、もう少し様子を見るのが賢明という物です。
(数日前のニュースでも、北海道の自治体だったと思いますが、受け入れを表明してたところが「住民理解を得られなかった」として、受け入れ取りやめに変更したという事がありました。)

被災地での瓦礫処理方法の見直しが現在急ピッチで進められており、広域処理の瓦礫量も再検討して近々新しい数値(量)が発表されるとニュースでやっていました。
防潮林での瓦礫利用が決定されると、「本当に現地で邪魔になってる物」を防潮林造成で優先的に処理すればよく、あとは被災地に残るのは「復興の邪魔にならない場所にある瓦礫」ばかりとなり、こういうのは時間をかけて被災地で処理していった方が瓦礫の無駄な輸送コストもかからず(その無駄なコストは我々の血税から出ます)、被災地で処理するため現地での雇用創出や復興につながるはずです。

元々の広域処理の400万トンという数字は震災発生からあまり時間が経たずに算出された不自然な数値で、これについては以前の記事でも指摘しました。この点に同じようにつっこみを入れる方も最近出てきたようです。
本来なら瓦礫は邪魔にならない場所に集積されてるはずで、「どうしても用地が確保できずに邪魔な場所に置いてしまってる瓦礫」というのは当初の見積もりの400万トンではなく実際はかなり量が減ると思われます。
その「邪魔な場所に置いてしまってる瓦礫」についても、最近は被災地自治体で分担して早期に処理する方向へ話が進んでいってる事、また防潮林での優先的な処理を開始すると、おそらく「どうしても広域処理をせざるをえない瓦礫」というのは400万トンから激減すると思われます。
防潮林造成での処理量次第では、広域処理自体をせずにすむでしょうし、どうしても広域処理せざるをえない分が残っても、それらはすでに受け入れを表明している東京や山形で処理して終了という形になると思います。
(東京だけで50万トン引き受けると知事は言ってますし。まさか広域処理の量が激減したから、「東京だけでなく全国で処理されるように」と東京が引き受ける量を50万トンから減らすという事はしないでしょう。)

わざわざ輸送費を大量に使って全国に瓦礫をばらまく必要は全然ありません。


広域処理についてはこんな話も出ています。
こちらはあくまでも未確定情報なので、「そういう話もある」程度に捉えてください。
(しかしこれが確定すると、広域処理の大義名分はすっかり無くなります)

・これでも賛成できる? がれき広域処理が必要なのはゼネコンのため
http://www.spotlight-news.net/news_gpGl91o40U.html

こちらの記事によると、そもそも宮城の瓦礫については県外の大手ゼネコンが間に入ってしまったがために、話が変な方向にいってしまったと。
最初から仙台のように現地処理で計画していたらもっとスムーズに瓦礫の処理は進んでいたはずです。
このゼネコンが瓦礫の多くを丸投げして手軽に稼ごうと県外での処理(広域処理)をさせようと環境省の役人と手を組んで画策したようですが、この大手ゼネコンが受注する際に談合があったのではと嫌疑がかかっており、現在公正取引委員会の調査が始まっているとの事です。

>現在、落札には談合があったものとして、公正取引委員会が調査を進めている。


談合疑惑については、他のソースでも確認できます。

・「宮城の瓦礫処理では談合が行われている」と内部関係者から昨年の入札前にタレこみがあったよう。
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20110829/552393/


・宮城の瓦礫受注の談合について、公正取引委員会の調査が最近(2012年4月)本格化してきた
http://facta.co.jp/article/201205009.html
本誌は昨年11月号(「東北談合復活」鹿島一番乗り)で、宮城県のガレキ処理事業を取り上げ、「談合復活を察知した公正取引委員会が、東北事務所と東京の本体とが態勢を組んで集中調査に乗り出した」と報じた。あれから半年。いよいよ、その動きが本格化してきた。

こっちでも「(談合の件で)公取委の現場は早く家宅捜索に踏み切りたいようです…」と書かれていますね。


被災地では現地で処理する方向に話が進んでいっており、瓦礫を大量に処理できる可能性のある防潮林での使用も検討され出して、これだけでも広域処理の可能性はだいぶ減ってきました。
それに加えて、もし上記の件で談合が認められた場合は、受注は当然ですが取り消しとなり、広域処理を必死に推し進めていた大元が瓦礫処理から除外される事になります。
(岩手はどうかわかりませんが、宮城県の瓦礫に関しては、広域処理分は全てこのゼネコンが関わっているからです)
その場合は地元が受注して地元の業者が処理する事になるでしょう。

ちなみに「瓦礫処理受注の談合には環境省の役人も関わっているのでは?」との話も別ルートで出ているようですが、その場合は環境省の役人も一緒に逮捕される事になります。
「環境省が必死になって広域処理を後押ししていたのは、こういう事だったのか・・・。」と物笑いの種になるでしょうね。
環境省の役人までセットで逮捕された場合は、個人やマスコミからは広域処理の不自然さが今まで以上に叩かれる事になり、もう「広域処理しましょう」などとは言い出せなくなります。
野党は現政権を攻撃する格好のネタを得た事になり、国会でもこの件は取り上げられる事になるでしょう。
広域処理の広告のために環境省は平気で数十億円の無駄金を使った事になりますが、関わった役人は自費で一部でも返還させるべきでしょうね。(こういうのに対して行政訴訟は起こせるのかな?)

マスコミ関係者はもし談合が認定されて逮捕者が出た場合は、どこよりも早く報道できるよう、今からこの件についてしっかり調査を開始した方がいいと思います。

posted by wanwan at 20:22| 記事 | 更新情報をチェックする

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