2012年03月25日

カリウムとセシウムの違いについて

放射性カリウムを含んだ食品は多く存在し、数百ベクレル/kgの物もあれば、中には数千ベクレル/kgの物もあります。
「放射性カリウムを普段からそれなりの量摂取しているのだから、放射性セシウムについては摂取してもそんなに気にする事はない。」みたいな意見もありますが、果たしてそれは正しいのでしょうか?

成人の場合、体内の放射性カリウムの総量はだいたい6000~7000ベクレル程度となっています。
放射性セシウムに比べて放射性カリウムの生体内半減期はかなり短いという事もありますが、それでもこの数字は少なめに感じませんか?
数百ベクレル/kgや数千ベクレル/kgの食品が結構あるなら、一日あたりは数十ベクレル~100ベクレル程度は摂取しててもおかしくなく、生体内半減期に従って体外へ排出される分を考慮しても、何十年も生きてる成人の場合はもっと人体内に蓄積されている放射性カリウム量は多くなるはずです。
一般的な成人の場合の平均値が6000~7000ベクレルどころか、数万ベクレルいっててもおかしくはないでしょう。

何故6000~7000ベクレル程度に抑えられているかというと、生物は長い間カリウムとつきあってきた事もあって、進化の過程で「過剰なカリウムを排出する機能」を獲得したからです。
(この調整機能はカリウムだけではありませんが)

放射性カリウムの生体内半減期は30日と言われていますが、実際は体内でカリウムが過剰になった場合は普通は調整機能が働き、もっと早く余分なカリウムを体外へ排出してくれるのです。


じゃあセシウムはカリウムと似たような動態のため、同じように体内のセシウム量が多くなった場合は通常の生体内半減期より早く、より積極的に排出してくれるのでしょうか?
カリウムと同様セシウムも調整機能があるのでしょうか?

http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/f473d363d0736314428f1b7ebc09a845

上記は、以前ホールボディカウンター(WBC)で何人かの体内セシウム量を測定したニュースについての記事です。
検査を受けた方の中には体内に25万ベクレルものセシウムが蓄積されているのが発見された人もいるようです。
(結構インパクトのある数字だったので、このニュースを覚えている人も多いのでは?)

原発事故直後に計測したものではなく、数ヶ月経過した段階で確かこの測定は行われたはずで、もしカリウムのように体内の量が多い場合は調整機能が働いて積極的に体外へ排出されるなら、25万ベクレルも体内に残っているという事はないのではないでしょうか?

この結果を見ると、どうもセシウムとカリウムは人体内での振舞いが似た部分もあるものの、体内での量が多くなった時の調整機能についてはカリウムでは働くものの、セシウムでは機能しないのではと思われます。
よく「同じ放射線を出すものなら、自然核種と人工核種では一緒」みたいに言われていますが、長年生物がつきあってきた自然核種(カリウム)と、人工核種(セシウム)の違いはこういう部分で出てくるのではないでしょうか?
「調整機能があるおかげで一定量までしか蓄積しない(自然核種)」と、「調整機能が働かないので、生体内半減期で多少排出されるとはいえ、油断してると体内の量がどんどん増加していってしまう(人工核種)」と。


この点については、動物実験などで検証をする必要があるかもしれません。
一定量のセシウムを含んだエサを与えたA群のマウスと、その10倍の量のセシウムを含んだエサを与えたB群のマウスで一定期間経過後の尿中のセシウム量を計測してはどうでしょうか?
単純にB群のマウスはA群のマウスに比べて尿中のセシウム量が概ね10倍程度になるのか、それとも体内の調整機能が働き10倍どころかもっと多くのセシウムが含まれるのか?
後者の場合は「セシウムもカリウム同様体内に多くなった場合は積極的に体外へ排出されるから一定量までしか蓄積されない」という結果が導き出されます。
しかし前者の場合は「カリウムと違って調整機能が無いので、食品中のセシウム量に気をつけないとどんどん蓄積していって体内のセシウム量が増えていってしまう」という事になるでしょう。

posted by wanwan at 09:25| 記事 | 更新情報をチェックする