2013年12月29日

この一年検査もせずに出荷をしていた茨城県

「風評被害だ」「食べて応援しよう」という言葉を使う人は、二言目には「サンプル検査をして、基準値以下なのが確認されてから出荷されている。だから安心だ。」と言っています。

でも、実際はこの一年まったく検査もされずに出荷されている品目が結構あるというのを知ったら、みなさんどうお感じになるでしょうか?
放射性物質は品目ごとに吸収度が全然違います。
それなのに一部の品目はまったく検査されずに出荷されているのです。


山菜や野生のきのこなどは、ひどい汚染度になりやすいという事で、チェルノブイリ周辺国では「できるだけ摂取しないように」と強く呼びかけられています。
日本でも当然同じ対応を取るべきです。

現在、福島のほとんどのエリアでは、野生のきのこは出荷してはいけない事になっており、全国へ販売する事はできません。
では、福島県の隣にある茨城県では山菜や野生のきのこの出荷制限はどうなっているでしょうか?

http://www.pref.ibaraki.jp/20110311eq/index29.html#2

茨城県公式ホームページ内の、「茨城県における出荷制限指示等の状況」を見ると、ほとんど限定的な地域の特定の品目しか出荷制限されていません。

この結果を見ると、『野性のきのこや山菜については、きちんと検査した上で、基準値以下の品目は出荷制限はされていないのだろう』と思うかもしれません。


さて、農林水産省の中の林野庁は、野生のきのこと山菜については、以下のようなQ&Aページを設けています。

http://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/kinoko/qa/situmon.html

Q. 販売されているきのこや山菜を食べてもだいじょうぶですか?

A. 各都道府県では、露地栽培・施設栽培の原木しいたけ、菌床栽培のしいたけ、なめこ、まいたけ、えのきたけ等のきのこや山菜が生産されています。これらについては、各都道府県において放射性物質の検査が行われ、食品の基準値(100 Bq/kg)を超過した場合には、市町村単位で出荷が制限(都道府県による出荷自粛も含む。)されています。また、出荷が制限されていない市町村においても、例えば1週間に1度など定期的に検査を行い、その結果を公表しています。


この赤文字の部分の

「出荷が制限されていない市町村においても、例えば1週間に1度など定期的に検査を行い、その結果を公表しています。」

をよく見てください。
国の方針としては、出荷制限されていない品目についても、各市町村単位で1週間に一度など、定期的にきちんと検査する事としているのです。


では、実際の茨城県の検査状況を見てみましょう。

茨城県農林水産物モニタリング情報
http://www.ibaraki-rdtest.jp/


の、「モニタリング情報を検索」のページで、「条件を選択して検索」タブをクリックし、分類は「きのこ・山菜・タケノコ」をクリックし、その下の品目については、

・あかこごみ
・うど
・ウラベニホテイシ
・メジオオイチョウタケ
・クリフウセンタケ
・菌床しいたけ
・原木しいたけ
・こごみ
・こしあぶら
・サクラシメジ
・ぜんまい
・タケノコ
・たらのめ
・チチタケ
・ナラタケ
・ハタケシメジ
・ふき
・わらび
・乾しいたけ

の全てにチェックを入れます。
色々な種類がありますが、ここに品目として書かれているという事は、茨城県からこれらの品目が出荷されているという事を覚えておいてください。

あとは、一番下の「日付の選択」で、「2013年1月1日から12月29日まで」と指定して「検索する」ボタンを押してみましょう。
(これを書いてる今現在は2013年12月29日です)


でてきた結果は全部で68件です。

その内訳は、

・原木しいたけの検査数が42件
・タケノコの検査数が17件
・こごみの検査数が7件
・たらのめの検査数が1件
・わらびの検査数が1件

・・・・・・これで終わりです。

「たらのめ、わらびは県内で一年にたった一箇所でしか検査してない」というのも驚愕ものですが、それ以上に「しいたけ、タケノコ、こごみ、たらのめ、わらび以外にも色々な山菜やキノコがあるというのに、それらはこの一年でたったの一度すら検査されていない」というのには驚くとともに呆れます。

期間を「2012年1月1日から2012年12月31日まで」と変更して2012年分の検査結果を見ると、一部の山菜は非常に高い値を記録しており、セシウム134と137の合計が1300ベクレル/kgを越えてるところがありました。
原発事故が起きた当年ではなく一年以上経過した後に採取した山菜から、そういう非常に高い値が出ていたのに、モニタリング情報を見ると、茨城県は2013年はごく一部の山菜・しいたけを検査して終わっているのです。

このような状況を見て、「きちんと検査しているから安全だ。」「食べて応援しよう。風評被害だ。」などと言えるでしょうか?


今回は茨城県の山菜・野生のきのこについて取り上げましたが、他の県の特定の品目でも「丸一年まったく検査すらしてないのに出荷されている」というのが同じように次々と見つかります。
各県のモニタリング情報を調べてみてください。

また、「検査はしているものの、県内で一年にたった数箇所しか検査していない」という、ザルすぎる検査でokとしてしまっている例も数多く見つかります。
放射性物質は均等に落ちるわけではなく、場所場所によって汚染度が全然違うというのに、広い県内で一年にたった数箇所だけ検査して終わりとしてしまうのは、明らかに不適切な検査です。
品目によっては吸収率が全然違うため、同じ地域の他の農産物の値が低いからといって安心はできません。


今回取り上げた

・茨城県や他の地域の一部の品目は、この一年まったく検査されずに出荷されていた。

・品目によっては県内で検査してても、一年にたった数箇所しか検査していない、ザルすぎる検査になってしまっている。


の二点については、どうかみなさんもご自身のブログなどで取り上げてください。
この記事はリンクで紹介したり、全文転載されてもかまいません。

また、マスコミ関係の方も、テレビや雑誌、webサイトなどで、この問題を取り上げて、状況が改善されるよう、どうかご協力をお願いいたします。
例えば、いつも原発事故関連でしっかりした報道をされているモーニングバードのそもそも総研たまペディアさんとか、NHKの原発事故関連のドキュメンタリー番組や、各種週刊誌や新聞など、ご協力よろしくお願いします。
(掲示板 阿修羅にIDをお持ちの方は、この記事をどうかあちらにも転載してください。)

この問題を放置してしまうと、今後も同じようにずっと『検査されずに出荷され続ける』という事になってしまいます。
そのくせ、「きちんと検査して安全なのだから、風評被害だ」「食べて応援しよう」という言葉だけは強調されて……。


原発事故によって引き起こされた農産物の汚染に対しては、きちんとしたモニタリングを今後もずっと続けるべきです。
実際、チェルノブイリでは25年以上経った今も、非常に多い検査(一日だけで5万以上のサンプル検査をしている)を行って、消費者の安心を取り戻し、それがひいては生産者にとってもプラスとなっているのです。

しかし、日本においては、めげ猫「タマ」の日記さんのまとめなどを見ると、一ヶ月でも5万件以下の検査数で終わっています。

国のホームページでは、最初に挙げた農林水産省のQ&Aのように、「出荷制限がかかっていない品目も、市町村単位で例えば一週間に一回など、定期的な検査を行う」というような説明をあちこちでしていますが、実際は各県は今回挙げたように「一週間に一度、一ヶ月に一度どころか、一年間検査すらしていない」という品目が次々と見つかり、国が説明している事と、実際に各自治体がやってる事は全然違うのです。

検査をきちんとしていない県ももちろん悪いでしょうが、監督している国も、「各品目きちんと市町村単位で定期的に検査がされているか?検査されていないのに、出荷されていないか?」を監視し、それが守られていない場合は是正するよう指導するべきでしょう。

posted by wanwan at 20:16| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。