2014年02月03日

莫大な予算をかけて一気に省エネ化を進める事の意義



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2013年度は全原発停止のせいで燃料代が2010年度比で三兆六千億円も上昇したと言われています。
そのため、「原発をできるだけ早く再稼動したい。このままだと、毎年四兆円近く余計な燃料代がかかり続け、それは電気代を上げて回収していくしかない」みたいな話になっているわけですが……。

自然エネルギーは昔よりコストパフォーマンスが改善されてきているものの、まだ発電コストが高かかったり、発電コストが安い物は残念ながら環境調査や発電施設の設置に年月がかかって、すぐには代替できないという難点もあったりします。
じゃあ、結局原発再稼動しかないのでしょうか?

いやいや、「膨大な予算をかけて社会の消費電力を一気に削減する」という、わりとすぐにできる事があると思うのですが、いかがでしょう。


少し前に、「国内の非LED照明を全てLEDに替えただけでも、原発26基分以上の電力を削減できる」みたいな話が出回りました。
15兆円あれば、国内のまだLED化していない照明を全て消費電力が大幅に下がるLEDに替える事ができ、それだけでも原発26基分以上という莫大な量の電力を減らせるという試算です。
当然消費電力が減るという事は、燃料代も減らせます。

原発は稼働率という物があり、国内には54基原発があっても、実際は稼動したり稼動を休んでいる原発が混在していて、本当の施設稼働率は2010年度で65%と言われていました。
つまり年間では約35基分相当の発電をしていたわけです。


仮に一気に15兆円を投じて、国内全ての非LED照明を無料でLEDと交換する施策を行った場合、原発停止により上昇した燃料代四兆円は、全部とはいえませんがほとんど解消できるでしょう。

「え?15兆円もかけて、結局四兆円しか減らせないの?」と思うかもしれません。

でもそれは単年度の話で、一度交換した後は、翌年も翌々年も、その次の年も・・・・という感じで、『毎年四兆円分燃料費を削減できる』というわけです。

もちろんLED照明にも寿命はありますが、その寿命はかなり長いです。
LED照明の中には粗悪品も混じっているので、そういうのを間違って採用しないよう気をつけないといけませんが、きちんとしたLED照明ならば、一度設置すれば10年くらい交換する必要はありません。
また、次に交換する頃には、LED照明は今よりもっともっとコストダウンが進んでいる事でしょう。
照明の寿命が長いという事は、交換する頻度が大幅に減り、それによって交換にかかる人件費・作業費を削減できるというメリットもあります。


まぁ、さすがに単年で15兆円もの予算を捻り出せるとは思えません。
また、全額を負担するよりも、例えば『半額負担します』みたいにすれば、国が投じる予算の倍の分交換できる事になりますよね。


実際は、こういう風に物事を進めて行ったらどうでしょう?

一時的に追加の国債発行などで特別予算を組んで四兆円を『省エネ施策』に使う事にし、照明のLED化や、照明以外でもそれと同じような削減比率で消費電力を減らせる機器などの交換に、補助金として『国が半額出す』みたいな風にするのです。
対象は個人・企業問わず。
(不正に金だけ取られないよう、それぞれきちんと監査は必要ですが。)

個人や企業にとっては、「消費電力を大幅に減らせる」という事は、年間の電気代がそれによってずいぶん削減できるという事でもあります。
しかも、交換した後は毎年その分電気代が安くなり続けるわけです。
交換費用の半分を自分が負担する事になっても、「いい機会だから」という事で、照明や、照明以外でも使用している機器をより消費電力が低いタイプにあちこちの家庭や企業が交換し、結果として国内の消費電力を大幅に減らせる事になるでしょう。
この際、電力削減比率の低い交換に対しては補助金を出さないようにしないと、金がかかったわりに社会の消費電力をあまり減らせない事になるので注意してください。


海外に燃料代として、今後も毎年四兆円近くの金を余計に取られ続けるくらいなら、莫大な予算をかけて一気に国内の消費電力を大幅に削減してしまえというわけです。

仮に単年で四兆円の予算を国が出し、半額負担という事で残りは個人および企業に負担してもらうと、八兆円規模の省エネ施策をやる事になるわけです。
この八兆円では、おそらく実際の燃料代は単年では二兆円くらいしか削れないでしょう。

でも、それはあくまでも単年だけの話で、翌年も二兆円、翌々年も二兆円、その次の年も・・・みたいな感じで、余計な燃料代を今後減らし続けるわけです。

で、この省エネ施策はたった一年では終わらず、二~四年くらいかけて毎年国が四兆円分省エネ関係に特別予算をつぎ込み続ければ、早ければ二年で、遅くても三年もすれば、もう原発を再稼動しなくても2010年度と燃料代はそんなに変わらないという風になるでしょう。
照明のLED化だけでなく、他の分野でも電力削減はまだできますので、2010年度より燃料代を安くできる事にも。


消費電力を大幅に削減するという事はCO2の大幅な削減にもつながります。
日本は原発停止でCO2の削減量が行き詰まっていますが、それの解決にもなるわけです。

また、短期間であれ毎年四兆円(実際は毎年八兆円)規模でLEDやその他の機器などの交換で金を動かすという事は、電気メーカーや機器メーカー、部品を作っている下請けの町工場に相当な特需を生み出し、国内経済をおおいに潤わす事になるでしょう。
(もちろん海外に部品を頼ってる機器もありますが)
電気機器メーカーや下請けだけでなく、他の分野も間接的に恩恵を受けるでしょう。
燃料代という形で海外にとられ続ける金の流れを一部かえて、国内の景気上昇にまわすようなもんです。



原発推進派は『原発を再稼動しないと、毎年余計な燃料代が四兆円くらいかかり続けるぞ。電気代が上がるぞ』と脅し続けるわけです。
それに対して小泉さんや細川さん、宇都宮さんなどや、坂本龍一さんやその他の多くの脱原発派の方々は、『毎年燃料代が結構な額余計にかかり続けるなら、莫大な予算を一気にかけて社会を低消費電力化し、それによって今後かかり続ける余計な燃料代をカットしましょう。』と反論すべきです。
どうです?悪くない提案でしょ?

国は今も省エネ施策をやっていますが、その額はしょぼいです。
毎年一兆円以下の省エネ施策なんていうみみっちぃやり方ではなく、毎年数兆円規模で一気に省電力化を推し進めないと、結局損をするのは我々なのです。
一時的に出費が大きくなっても、それによって後々かかる余計なコストを大幅に削減できるのです。


短期では今回提案したような社会の省エネ化を一気に行い、それと同時に自然エネルギー分野での発電コストの低下の研究などへの予算もしっかり確保していけば、2,3年で原発なくても燃料代は2010年度と同等になり、自然エネルギー分野の開発も進めばもっと電気代も低下していき、10年後は日本は原発にまったく頼らないでも全然余裕でやっていける風になっているでしょう。
(原発の廃炉や、核燃料の処理の問題は残り続けますが)


燃料代の余計な増加だけでなく、社会の電力消費量を大幅に減らすという事は、「余裕があいた分、一部の火力発電所を停止させてきちんと点検できる」というメリットも産みだします。
原発事故以後、各地の火力発電所はきちんとした点検期間が取れず稼動させています。
今年、来年と一気に莫大な省エネ施策を実行し、早急に電力に余裕をもたせないといけません。
こういう面でも、ちんたらやらず、一気に社会の省電力化を推し進める必要があるわけです。


日本はオイルショックの時も短期間での社会の変革を迫られました。
そして、きちんとそれを乗り越えたのです。
原発事故を起こした今この時も、ちょうどオイルショックの時同様社会を変化させる時期に来たのだと思います。
この機会を絶対逃してはいけません。


*今回の話を良かったと思う方は、リンクしたり転載して紹介していただけたら幸いです。


posted by wanwan at 22:06| 記事 | 更新情報をチェックする