2013年03月07日

高汚染魚と福島での漁の拡大

福島原発近くの港湾から、少し前に25万ベクレル/kgの魚が見つかったと話題になりましたが、最近の検査で50万ベクレル/kgともっと高い汚染の魚が見つかりました。

原発には毎日大量の地下水が流れこんでると東電は発表していますが、「地下水が流れこむ」という事は、「地下水系側へ原発地下の高濃度汚染水が混ざっていってる」という事も考えられます。
海岸近くの地下水系は海につながってる場合もあり、もしかしたら少しずつ高濃度汚染水が海へ流れていってるかもしれません。

一方、JF福島漁連(福島漁協)では、『試験操業』という名目で一部魚種の全国への出荷を開始しており、またその魚種は少しずつ増やしていっています。
今度は骨ごと食べるコウナゴまでも出荷を開始するそうで。
漁をする海域についても漁協のホームページでの説明を見ると段階的に拡大していっており、ある程度距離があるとはいえ、どんどん福島原発の近くの方の海域へ範囲を拡大していってるのが気がかりです。
原発近くで数十万ベクレル/kgの魚が見つかった事や、原発から20kmも離れた場所からも数万ベクレル/kgの魚が以前見つかった事があるなどを考えると、原発の近くの方へどんどん操業範囲を拡大していくのは対応としてはおかしいでしょう。


検査については、獲った魚介類のうちのごく一部をサンプル検査しているのみです。
そのサンプル検査では、幸いいずれも検出限界以下の個体ばかりのようですが、魚貝類の場合は個体ごとに様々な移動を行ってるため、「同じ場所で獲れた同じ品種の魚はまったく同じ汚染度」というわけではないでしょう。
検査されなかった個体の中には、想定外にひどく汚染度が高い物もあるかもしれない。
例えばタコにしても、その地点で獲れた物の中には、東の方で長い間棲んでいた物もあれば、原発よりの西の方で長い間棲んでいて、たまたま漁の時にこっちの方へ来ていた物もあるかもしれない。

「仮に非常に高く放射性物質を取り込んでも、生体内半減期でどんどん排出していく」という話もありますが、これは「その生物が生きている間」の話です。
漁で獲られた段階で汚染度が高かった場合、死んで冷凍保存されますが、死んでしまうと体内に放射性物質が貯まったままになります。生きてる時のように排出はされません。


原発近くとはいえ数十万ベクレル/kgの魚が見つかった事や、20kmも離れた場所で数万ベクレル/kgの魚が見つかった事を、福島の漁協はもっと重く受け止めるべきです。
あの数値は放射性セシウムだけの数値であって、実際は計測していない他の核種(放射性ストロンチウムや放射性銀、他)も、汚染がひどい個体にはかなりの量含まれているものと考えられます。

福島県の漁師は東電による汚染の『被害者』です。
東電のせいで漁を制限され、悔しい思いをしているのは重々承知しているため、あまり彼らにきつい事を言いたくはありません。
しかし、もし知らないうちとはいえ、数万ベクレル/kgの魚を出荷していたとなると、今度は彼らが『加害者』になってしまいます。
現在は消費者や一部団体が定期的に流通先での食品検査をやっていますが、その検査でもし福島の魚貝類から数万ベクレル/kgの放射性物質が検出された場合、「サンプル検査しかしていなかったせいで、今までこんな風に数万ベクレル/kgの魚が検査を漏れてたびたび全国に出荷され続けていたのか……」と騒動になり、福島の漁師達は全国からひどいバッシングを受ける事になってしまうでしょう。
長期に渡る不買運動にまで発展してしまうかもしれません。
「サンプル検査で十分だと思っていた。想定外でした……。」では済まされません。

このような事態を回避するためには、獲った魚貝類は『全数検査』をするよう早急に変更しないといけません。


全数検査といっても、ゲルマニウム半導体検出器を使った詳細検査や、ベクレルモニターを使った簡易検査を全数でやるという事ではなく、シンチレーターなどを使って全数線量検査をする、という事です。

原発事故直後から、販売する食品全てに放射能測定器をあてて検査する店舗が一部ありました。今も続けているところがあるようです。
あれは当時の基準値の500ベクレル/kgや今の基準値の100ベクレル/kgを超えているかどうかの検査としては意味がないのですが、「数万ベクレル/kgとひどく汚染された物を発見・除外する」という点ではきちんと役に立つのです。
kgあたりの汚染度が数万ベクレルの物の場合は、量が少ない(100gとかその程度)ならともかく、2,3kgもあれば線量計がきちんと反応するはずです。


福島で獲れた魚貝類については、2〜5kgくらいを一塊として線量検査を必ずやるようにすれば、数万ベクレル/kgやそれ以上のひどい汚染度の物がたまたま混ざっていても、線量が通常の空間線量の幅より有為に上昇するため、発見・除外できるはずです。
基準値の100ベクレル/kgを多少超えた物の出荷はこの検査では止められないでしょうが、これをやってれば数万ベクレル/kgとひどく汚染されたのが市場に出回る事はないでしょう。

計測の注意点としては、2〜5kg単位で線量検査していくのがのぞましい。
10kgとかみたいに多めの量を一塊として線量検査してしまうと、その塊の中に数万ベクレル/kgの物が少し混じっていても、汚染度が低い残りの物で平均化され、線量が通常の空間線量程度しか出ない場合があるのです。
流通先では消費者などが1、2kg単位で簡易検査や詳細検査をしているため、その紛れて出荷された数万ベクレル/kgの魚がたまたま検査で発見されるかもしれません。

逆に、量が100g〜500gとか少なすぎると数万ベクレル/kgの物でも線量計がやはり反応せず(通常の空間線量と同じ)、間違って出荷してしまうので、おおむね2〜5kg程度を一塊として線量検査していくのが望ましいのです。


検査については、一部店舗がやってるように人力でシンチレーターを数回ずつ当てていくのもいいですが、米の検査に使われたベルトコンベアー式の機器と似たようなのをメーカーに作ってもらい、それで自動で全数検査するようにしたらいいかもしれません。

1.カゴに2〜5kg範囲で採った物を乗せ、コンベアで流す。
2.コンベア中央の検査機では、米の検査機みたいに空間線量を鉛板シャッターで遮断しつつ、線量を計測して、異常に高い値が出ないかどうかを検査する。
・・・・・こんな感じです。
袋に入れてる米と違って魚貝類は重量にばらつきがでるため、米の検査機みたいにおおざっぱに何ベクレル/kgかを出すのは難しいでしょうが、「数万ベクレル/kgとひどく汚染されていないかどうか?」の検査については、この方法できちんとできるはずです。

シンチレーターを使うにしろ、コンベア式の検査機を使うにしろ、検査機の導入代金については、国や東電に出してもらったり、あるいは「消費者に募金してもらう」というのでもいいでしょう。
福島漁協のサイトで「魚貝類の安全性のために今後全数検査をしますが、その検査機導入のために募金をよろしくお願いします。」と掲載すれば、全国の消費者の協力が得られるはずです。


魚貝類の全数検査については、昨年段階でもすでに茨城の漁協が導入テストを開始しています。

・茨城県の大津漁協、魚の全数検査のための実証実験を開始

茨城県北茨城市の大津漁業協同組合などでつくる茨城漁業環境研究会は、市内の大津港で水揚げした魚を発泡スチロールの箱に入れたまま短時間で放射能測定する実証実験を始めた。試作の測定装置を導入し、魚を切り刻む必要があった既存装置との誤差の有無などを調べる。原発事故の風評被害の払拭に向け、全数検査を実現させたい考えだ。

 「魚の安心配給ネットワーク事業」では非鉄大手の古河機械金属などが開発した試作機を使う。箱に入れた魚をベルトコンベヤーに載せて門型の装置を通すと、魚を傷つけることなく最短10秒で測定できる。

 行政の測定などで使われている主流の装置は魚をすり身状にする必要があるほか、測定時間も30分程度かかり、魚の一部しか検査できなかった。

 実験で性能を確認した上で、全数検査して出荷する体制を整える。魚にステッカーなどを貼り安全性をPRする考えだ。(日本経済新聞 2012年7月7日の記事より)




本来なら、より原発に近い福島の漁協が全数検査を一早く開始すべきだったのでは?


今のままですと、福島はサンプル検査のみでどんどん全国へ出荷する魚貝類の種類を増やしていき、消費者は知らないうちにサンプル検査から漏れた数万ベクレル/kgの魚貝類を食わされる事になるかもしれません。
現在食品の基準値を100ベクレル/kgと設定しいますが、基準値を数百倍超えた数万ベクレル/kgの物を何度も食っていると、簡単に年間の基準摂取量を超えてしまう事になりかねません。
そう遠くない未来に流通先の消費者検査で数万ベクレル/kgの魚が見つかってしまい、「サンプル検査しかしてなかったせいで、検査を素通りして数万ベクレル/kgのがたびたび出荷されていたのか・・・」と、福島の漁師叩きに転じないかと懸念しています。
原発近くで非常に高い汚染度の魚が見つかった事、現在福島で試験操業をしている場所は原発から距離がある程度あるとはいえ、魚貝類が移動できない距離ではない事を考え、万が一高汚染の魚を市場に流通させてしまわないよう、サンプル検査ではなく全数検査に切り替えるべきです。

この内容に同意される方は、この文章をまるごと転載したり、リンクで紹介してください。
より多くの場所でこの件について議論され、また福島漁協関係者も目にするようになれば、全数検査の導入も早期に行われるかもしれません。
数万ベクレル/kgとひどい汚染度の魚貝類が市場に流通しないよう、みなさんに協力していただけたらと思います。
魚貝類は、人間が食べるだけでなく、加工されて家畜の餌や土壌改良剤として使われる場合もあるので、高汚染の魚貝類が流通してしまうと、家畜や農地の高汚染も引き起こす場合があるのです。
(転載の場合は、文末の「この内容に同意される方は〜」以降の部分も含めて、丸ごと転載してください。)

posted by wanwan at 20:33| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月28日

量のさらなる減少により瓦礫受け入れ取り止めが相次ぐ。しかし大阪市は…

昨年、被災地での瓦礫処理量の計算をやり直し、可燃瓦礫・不燃瓦礫ともに大幅に量が減ったのですが、実は今年1月25日に国はまた瓦礫の量の精査をやり直した事を発表し、そこで『量が大幅に減った昨年段階』より、『さらに量が減る』という事になりました。

特に可燃瓦礫の必要処理量が昨年段階より大幅に減り、もう被災地のみで十分処理可能な量になり、三重県・福井県では、県内全域で瓦礫の受け入れを中止に急遽変更。
新潟県でも新潟市や新発田市が受け入れを中止する事になりました。

何が起こったかというと、「積んでいた可燃瓦礫が腐敗や発酵で、量(正確には体積)が大幅に圧縮された」のです。

震災がれきの受け入れ中止 福井(47NEWS)

上記のニュースは大槌町の瓦礫についてですが、「環境省と岩手県が同県内で処理できる量を見直した結果、木くずの腐敗などで大槌町のがれきが大幅に減少していることが分かり・・・」ってしっかり書いていますね。

細野時代のアホ環境相は、なんと「長期間積んである可燃瓦礫は同じ体積のまま場所を取り続ける」という非常に頭の悪い考え方で計算していたようです。
実際は腐敗や発酵で「大幅に体積が減る」のに、それを計算に入れなかったようで。
積んでいる瓦礫が腐敗や発酵して熱を出すってのは、たびたびニュースでやっていたのに。
単純に「重量」だけ見ていて、「体積」がどうなるかは考えていなかったと。
「場所をどれだけとるか」は「体積」の方が大事だし、腐敗や発酵で体積が圧縮されて密度が高くなると、一度に運べる量(重量)や、焼却炉に投入できる量(重量)も増えて、ますます瓦礫の処理が進むんですがね。

庭で刈り取った草を放置してたり、農業のために堆肥を作ろうとした方ならわかると思いますが、可燃物は腐敗や発酵が起きると、大幅に体積が減るわけです。

今回の震災の可燃瓦礫も同じような感じで長期間積んでいたものが腐敗や一部発酵で堆積が圧縮されコンパクトになり、被災地で取る場所も大幅に減ったという事で、国は1月25日に広域処理の量をさらに削減し、受け入れを予定していた各自治体に「もう広域処理をやらなくてもいいですよ」と連絡を入れたわけです。

強硬に受け入れしていた北九州市でさえ、「広域処理の量が減ったので、受け入れを急遽取り止めます。」ってなりましたよね。
あれもおそらく、被災地側から「体積が大幅に減ったので、もうそっちに運ばなくても大丈夫」と連絡が言ったのでしょう。


大阪市は「一度言い出した橋下市長の面子を守る」というつまらない理由のために、このまま量も変えずに瓦礫を受け入れて処理し続けようとしていますが、今回の国の報告を真摯に受け止め、瓦礫受け入れを他県と同じように取りやめたり、受け入れるとしても量を大幅に減らすべきでしょう。

被災地自身でもう十分処理できるようになったのに、「当初とまったく同じ量のまま受け入れを続ける」というのは明らかに不自然です。
その場合は、橋下は「何故受け入れ量を変えないのか?」をきっちり説明する責任が当然あります。焼却場の周辺住民がきちんと納得できる理由を。
他所の自治体は量を大幅に減らしたり、受け入れ自体を取りやめたのに、大阪市だけ同じままってのはおかしい。
あの東京都でさえ、当初は「50万トン受け入れて処理する」と言っていたのに、実際は数値を大幅に減らしましたよね。

被災地で処理するのに比べて、いちいち大阪に持ってきて処理した場合、輸送費のせいで処理コストが大幅に膨らみます。その膨らんだ分は当然国民の税金が使われます。

瓦礫の広域処理反対の人々が当初から言ってきた「余計なところに無駄に金を使うくらいなら、その金をそのまま被災地に使ってやれよ。」ってのを実行した方が、はるかに被災地のためになるんですがね。

大阪市は、橋下市長の面子を守るためだけに、金を無駄なところに大量に使い続けるのですか?
橋下さんって、大阪府知事時代も「府の財政を改善する」とか最初は言ってたのに、結局任期中に府の財政を大幅に悪化させ、ごまかしたまま知事をやめて大阪市市長に立候補しましたよね。

こういう「まともな金銭感覚がない人」の指示通り事を進めるのはどうかと思うのですが。


posted by wanwan at 15:20| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月10日

北九州市が広域処理の瓦礫受け入れを今年3月で終了と、予定を急遽変更

当初から「広域処理をしなくても瓦礫処理は地元処理で予定以内に終了できる。」と、ここのブログでも他のところでも多くの人が言ってきましたが、やっぱりというか、それが本日のニュースで証明されたようです。

北橋市長が市民の反対を押し切って強引に瓦礫を受け入れていた北九州市ですが、当初の予定より大幅に早く瓦礫の受け入れを終了する、との事。
今年3月(あとたった二、三ヶ月)で瓦礫受け入れをやめるそうです。
当初は、もっと長期間、大量の瓦礫を受け入れる予定でした。

瓦礫の処理を依頼していた宮城県側が、「やっぱりそちらで馬鹿高い運搬費用をかけて瓦礫を処理してもらわなくても、地元で十分処理可能でした。」という事で、今後の瓦礫受け入れを断ったとの事。
さすがの北橋も、もう瓦礫を受け入れる大義名分は、全く無くなったようです。


大阪市や他の地域でも、多分同じように後になって「やっぱり瓦礫受け入れしてもらわなくても地元で十分処理できる。コスト的にも地元で処理した方が遥かに安く処理できる。」という事で、途中で受け入れを中止になるところがどんどん出てくるでしょう。

なお、瓦礫の受け入れを急遽終了する事になった北九州市ですが、周辺に汚染が起きていないのか、多くのポイントでしっかり土壌や植物の調査などをしないといけないでしょう。
受け入れが終了したから、このまま何もかも闇に葬るというのはダメです。
バグフィルターは、製造メーカー自身が指摘していたように、「放射性物質の捕獲能力はない」です。

また、最近になって静岡市でこんなデータが出てきました。

静岡市の震災がれき試験焼却で明らかになった 広域処理での放射能拡散増加の可能性。広域処理で放射能拡散か?
http://diamond.jp/articles/-/30406




元々、広域処理については発起人や、それを推し進めていた人などは「広域処理ありき」で話を進めており、瓦礫の実際の量や、処理コストなどについてはまともに考えていませんでした。
地元で処理できるなら、無理に高いコストをかけて遠くまで運んで処理する必要はないのです。

ちなみに、広域処理を提案した仙谷由人、環境省に広域処理をするよう指導した松本 龍の二人については、今年の衆議院選挙でどちらも見事落選しました。
ザマァミロ、といったところ。


あとは細野豪志ですが、彼は原発事故担当大臣を長い間やっていました。
で、彼が大臣任期中に除染についてまともに指導・監視するよう手配していなかったせいで、最近になって「手抜き除染」が次々と発覚する事になりました。

本来なら除染については、担当ゼネコン・下請けにしっかり指導・監視させるべきを、このアホはまともにそういう事をやっていなかったと。
大臣としてまともにやるべき事をやっていなかった屑ですね。

この細野については、しっかり責任を取らせるべきでしょう。


posted by wanwan at 23:12| 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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